青春恋愛ものにはまる ― 2015年09月07日 00:10
1週間のストレスを昇華させる方法の一つに,週末の読書がある。胸に迫るような感動や刺激は,潤いを失ってでこぼこした心をなだめてくれたり,たくましく育ててくれたりする。特によい小説に出会い,その作品世界の中に没頭できたときは,すすけた心を取り出して,新しいキラキラした心と取り替えたような気持ちになることさえある。
さて,一口に小説といっても,ファンタジー,推理,ミステリー,ホラー,SF,歴史,学園など,様々なジャンルがある。さらに「学園推理」とか「歴史ミステリー」とか「SFコメディー」など複数のジャンルをくっつけて言う場合も多い。中には新鮮さを打ち出すために,新しいジャンルの組み合わせをなかば強引に作ったと思わせるものもある。
こうしたジャンル分けは,読みたい本を選択するときの重要な手がかりとして大切なものだ。自分は読む本のジャンルが偏る傾向にあるので特にそう思う。例えば,ミステリーだけ続けて読むとか,SFだけ続けて読むとかそんな感じ。
そして,最近はまっているのが「青春恋愛もの」なのである。青春だけではダメだし,恋愛だけでもダメ。青春で恋愛にはまっているのだ。
最近立て続けに読んだ4冊の紹介。

1 三田誠広:いちご同盟

2 三秋縋:三日間の幸福

3 三秋縋:君が電話をかけていた場所

4 住野よる:君の膵臓をたべたい
男子と女子の心を通わせていく過程が,あるときはもどかしく,あるときはみずみずしく,あるときは悲しい。相手の気持ちを推し量り,思いやりながら悩む。素直な気持ちを押し隠し,さらけ出しながら徐々に結びつきを強めていく。そこがよい。こうした作品に触れたときに生まれるじれったさと憧れを渾然としたような感情が,自分をリフレッシュさせる。
もうしばらくはこのジャンルで楽しむつもり。
〈追記〉
当初,この作品紹介の中で「いちご同盟」を取り上げることにためらいがあった。それは,この4作品の中で「いちご同盟」が青春文学として傑出しており,他の「ライトノベル」といって差し支えない3作品と同列に並べることがふさわしくないと考えたからだ。作品のテーマに格付けするとすれば明らかに立ち位置が違うのである。
「いちご同盟」は,憧憬,哀愁,悩み,畏れなど,作中人物が紡ぐ心の陰影が,端的な文章の間から滲んでくる。状況描写と台詞回し,そして作品構成の巧さのために,テーマがぐっと胸に迫ってくるのだ。読後の満足度が高い。これは単純な物語のおもしろさとは別の基準だと思う。
今回はあえて,今の自分のこだわりである「青春恋愛もの」つながりで取り上げた。
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