ビルの窓を掃除する人2016年11月21日 23:04

 街を散歩していたら,珍しいものを見つけた。実際に目にするのが初めてだったので,すかさず記念撮影。

何か分かる?
 それがこれ。青空にそびえる地上30階のビル。何かが壁に張り付いていた。

寄って見ると...
 ズームアップ。屋上から突き出た2本の支柱が,ワイヤーを伸ばしてゴンドラを吊るしていた。

窓掃除!
 よく見ると,ゴンドラの中に人がいる。どうやら窓掃除をしているらしい。僕は高いところと揺れるものが大の苦手。精神が侵されるほどに苦手。だから,この手の仕事は絶対にできない。こうした現場で働く人を尊敬する。

 街を散歩していると,補修工事をしているビルがあちこちで見られる。どこも外壁に鉄の棒で足場を組んで,人一人が通れる幅しかない渡し板の上を職人さんが歩いている。騒音・防塵・落下物対策のために周りがネットで覆われているとはいえ,あんな高いところで,歩けば揺らぐであろう不安定な足場をスイスイ歩いている職人さんたちは,どんな心臓を備えているのだろう。

 以前,テレビで東京タワーを建設する様子を写した記録映像を見た。そこには,地上百メートル以上の場所で,命綱もつけずに鉄骨の上をひょいひょい渡り歩いて作業をする職人がいた。休憩時間には,その鉄骨に腰掛けて,タバコをふかしながら談笑などしていた。

 もしも僕がその建設現場にいて,地上からその様子を認めたとすれば,鉄骨に座っている職人さんに自分を投影して,それだけで目を回してしまうかもしれない。

 身体的能力とは別に,強い精神的能力がこの人たちに備わっているのは間違いない。そして,それは僕の胸の内のどこをどう探して見ても見つかりそうもないものだ。

シナモン
 書いているうちに,気持ちがすり減ってきたので,今日ゲーセンでゲットしてきたシナモンの写真を載せることにする。娘のために取ってきたものだが,大の大人が見ても心底いやされる。マシュマロのように弱々しい僕の心臓には,高所よりシナモンがよく似合う。