胃カメラの飲み心地2005年01月08日 09:05

2004年の末から2005年にかけての年末年始。だらだらと吐き気が続いていました。本来なら,旧年中の疲れをいやし,新年の活動に対する鋭気を養っていくであろうこの大事な時期(←だらだら過ごすとも言う)に何ということでしょう。

しばらくは,飲み過ぎたかな,食べ過ぎたかな,寝不足かなといろいろ理由を付けてごまかしごまかし生活していましたが,それが1週間以上続くとなると無視できなくなってきます。これまでそんなことはありませんでしたから。だんだん,すごい病気を抱えているのではと心配になってきました。それで,新年早々かかりつけの医者に行きました。すると,吐き気の原因はいろいろ考えられるから,とにかく胃カメラを飲めとのこと。(のどを通して異物を出し入れするなんて気持ち悪いことは絶対にいやだー)と心の中で叫びながらしぶしぶ了承しました。

初めにフィルムケース大のコップに入れられたまっ白の薬を飲みました。ほんのり甘くて(結構うまいな)と思いながら飲みました。まったく問題ありません。この薬の効能は・・・聞き忘れました。

次に,胃のぜん動を押さえるためという薬を二の腕に注射しました。なんということはありません。

さらにその後,のどに麻酔をかけるために,ゼリー状の薬を大さじ1杯ほど口に含みました。のどの奥の方に蓄えておき,3分ほどしたらごくりと飲んでよいとのこと。すこし苦みのある薬です。言われたとおりしていると,1分ほどしてのどがしびれてくるのを感じました。のどの感覚が麻痺して筋肉の動きも鈍ってきたのか,3分後に蓄えていた薬を一気にごくりと飲みくだすときには,なかなかのどを通ってくれませんでした。ゆっくりと薬が胃に落ちていきました。

処置室の前で自分の番が来るのを待ちました。私の前には二人の人がいます。一人目の70歳くらいのおばあさんが呼ばれました。部屋の扉は開け放したままで,カーテンだけ引いて処置をするようです。医者が検査の説明をする声や気持ちを落ち着かせようとなだめる声が聞こえました。しばらくすると,

「うえぇ・・」「ぶへぇ・・・」

・・・なんだ?私は,機械の稼働音かなと思いました。しばらくして,おばあさんがハンカチで目を押さえながら出てきました。 ・・・・・・・嫌なことは考えないようにしようと私は思いました。

次に,20歳くらいの青年が呼ばれました。先ほどと同様,医者の声がしばらく聞こえた後,「うえぇ・・」。

ここで一つはっきりしたことがありました,それは,今の音は決して機械の音ではない!ということです。このとき私の頭には様々なうれしくないイメージが巡っていましたが,次に自分の番という時になっていい大人が逃げ出すわけにはいきません。まな板に横になっているようなものです。

ついに私の名前が呼ばれました。中に入って指示に従い行動しました。

1.ベルトをゆるめて,ファスナーを半分おろす。

2.横を向いてベットに横になり,背中を丸めて膝を胸の方にひく。

3.くちにわっかをはめる。

医者からはスムーズに検査を行うために様々なアドバイスをもらいました。

1.気持ちを楽にする。(かなり難しいです。)

2.肩の力を抜く。(がんばります。)

3.よだれは下に垂らす。ごくりと飲むとうえぇとなる。(無意識に飲みそう。でもやってみます。うぇはいや。)

ということで,いよいよカメラが差し込まれました。でも,実はどんなものが差し込まれたか全く見ていません。それを見ると気分が萎えそうな気がして目をつぶっていたからです。医者は人の体だと思って,ずんずん「それ」をいれてきます。のどの感覚が麻痺しているとはいえ,異物が通っていくのは分かりました。で,「うぇぇ」となりました。このときつばを飲み込みたくなりましたが,さっきの医者の言葉を思い出し必至でこらえました。

医者は「今,一番つらいところをすぎたからね。あと,大丈夫大丈夫。すぐ終わるからね。」と幼稚園の子を諭すように励ましてくれました。たしかに,のどの気色悪さはなくなりました。そのかわり腹が苦しくなりました。なにやら,腹に空気を入れてふくらませているようです。そして,腹の中のあちこちをずんずんとつつかれるようなにぶい感覚がありました。「すぐ終わるからね」…最初の3回くらいはこの言葉を信じて励みにしていました。(あと少し…あと少し…)。しかし,「すぐ」が意味する時間の長さは医者と私で大きな開きがありました。この言葉が励みにならないことはまもなくはっきりしました。いつ終わるのだ。

鈍い感覚として,管の先端ーカメラが今どこにあるのかは分かりました。で,胃のあちこちを写真で取っていることも理解できました。ここまできたら検査も残りわずかに違いありません。ですから医者が「はーい,胃のほうも大丈夫だねー」といったとき,(やっと終わった)と思い,検査が始まって初めて気持ちをゆるめることができました。ところがそのとたん,さらに奥に管が滑っていったのです。「今度は十二指腸入ってるからねー。すぐ終わるからねー。」一瞬緊張が切れたところにこのせりふは効きました。「うぇー」となりそうになるのを必死にこらえました。そしてその後すぐにほんとうに検査が終わりました。

検査の結果,なんともありませんでした。

1週間以上続いた吐き気はなんだったのでしょう。でも,そんなことはもうどうでもいいです。この検査を乗り切れたことで私は満足です。よい経験をさせていただきました。

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